子役として活躍 「部活をやっている感覚に近かった」
- ― 子役時代から、舞台、映画とマルチに活躍されていました。当時は、どんな「13歳」でしたか?
- 小野 わりと陽気な感じだったと思います。仕事はしていましたが、“仕事”という認識でやってはいなかったかも。みんなが部活をやっている感覚に近かったと思います。
- ― 2001年から、「ハリー・ポッター」シリーズの日本語吹き替えで、主人公のハリー・ポッターの声を担当されました。
- 小野 小学6年生からですね。大役という認識もほぼないので、親の方が喜んでいました(笑い)。当時、母と兄が「ハリー・ポッター」の本を読んでいたんです。声を担当することが決まったときは喜んでくれて、それがうれしかったです。劇団四季のミュージカル「ライオン・キング」を小学校5年生~中学2年生ぐらいまでやっていたので、週2~3回くらいは舞台の本番をやって……という感じでした。学校には行けていましたが、小学校6年生の修学旅行はお仕事で行けなくて。日光だったので、先生が木刀を買ってきてくれました!(笑い)
- ― 当時、大変だったことはありましたか?
- 小野 あまり悩みはなかったと思います。でも、転勤族だったので毎回友達を作るのが大変でしたね。小学校6年生から東京で、その前は大阪にいたんです。大阪での暮らしが楽しくて、関西弁も好きだったので、「東京でも絶対、関西弁でいったるわ!」言っていました。でも、東京に来たら一日でこちらに染まっていました(笑い)。順応するタイプではあったので、友達もすぐにできました。
- ― “今の自分”について、“13歳の頃の自分”はどんな風に思うと思いますか?
- 小野 この仕事をやっているのは「そうだろうな」と思うかなと。「小さい頃になりたかった夢」みたいなものもあまりなくて。進路を決めるときも、あまり悩まなかったです。これしかやっていないから、今さら別のことってあまり考えられないな、というところではあって。ずっとこの仕事をやっているという感じですね。
- ― 声優業への思いについて。
- 小野 ずっと「ハリー・ポッター」をやってきていて。今もそうですけど、舞台もやり続けていたのであまり「声優として頑張る!」みたいなものはなかったです。高校を卒業してから、とにかくずっと仕事がなかった。仕事がないからお金もなくて、生活ができなかった。がむしゃらにやった結果、声の仕事が多かったというような、この仕事に流れ着いたような感じではありますね。
- ― 今、新しい一歩を踏み出そうとしている“13歳たち”にメッセージを送るとするなら?
- 小野 好きなことをやったらいいんじゃないかなと思います。YouTubeなどがあり、僕たちが13歳だったときよりも、色々な情報が入ってくるようになっているので、選択肢は増えると思うんです。「こんな職業もあるんだ!」と目に付く機会も多い。だから色々な可能性、選択肢がある中で選べると思うので、自分が興味のあることをやったらいいんじゃないかなと思います。
「男だらけの熱い物語をぜひ楽しんで」
- ― 沖田総司を演じる際に大切にされていることを教えてください。
- 小野 ずっとひょうひょうとしているというか、表情も柔らかいですし……そういうところでの人当たりの良さ、みたいなのは普段から出せたらいいなと思っています。勝手なイメージですけれど、甥っ子とかと接するときの感じを常に持っています。今回は、人によってあまり(態度を)変えないように、誰に対してもひょうひょうとして……を意識しています。
- ― 「青のミブロ」の放送を楽しみにしている方たちへメッセージをお願いいたします。
- 小野 “にお”という実在はしていない主人公がいて、彼が成長していくところがひとつの魅力だと思います。あとは、単純に「新選組」のお話って面白いなというのもあります。本当に一切女性が出てこないので(笑い)、男だらけの熱い物語をぜひ楽しんでもらいたいです! 10月から放送なのでどんどん寒くなっていきますが、作品はずっと熱いものが届けられたら良いなと思っています!