小野 賢章

声優小野 賢章

#07
#07

子役を経て、ただひたすらにがむしゃらに…。その結果、今の自分がある。

声優 沖田総司役
小野 賢章

「13歳の青」第7回のゲストは、TVアニメ『青のミブロ』で「沖田総司」役を務める、小野賢章さん。いつも笑顔で優しく、主人公「にお」にとっては頼れる兄のような存在でありながら、強い敵との戦いを誰よりも欲する、剣士としての一面を持つ『沖田』を、ひょうひょうとそして時に熱く演じています。子役の時から舞台や映画で活躍し、今ではアニメ・ゲーム・テレビとまさに多様なジャンルに出演する小野さんは、どのような「13歳」だったのか。そこには、子役として活躍した小野さんならではの、独特な経験と将来への意識がありました。

子役として活躍 「部活をやっている感覚に近かった」

子役時代から、舞台、映画とマルチに活躍されていました。当時は、どんな「13歳」でしたか?
小野 わりと陽気な感じだったと思います。仕事はしていましたが、“仕事”という認識でやってはいなかったかも。みんなが部活をやっている感覚に近かったと思います。
2001年から、「ハリー・ポッター」シリーズの日本語吹き替えで、主人公のハリー・ポッターの声を担当されました。
小野 小学6年生からですね。大役という認識もほぼないので、親の方が喜んでいました(笑い)。当時、母と兄が「ハリー・ポッター」の本を読んでいたんです。声を担当することが決まったときは喜んでくれて、それがうれしかったです。劇団四季のミュージカル「ライオン・キング」を小学校5年生~中学2年生ぐらいまでやっていたので、週2~3回くらいは舞台の本番をやって……という感じでした。学校には行けていましたが、小学校6年生の修学旅行はお仕事で行けなくて。日光だったので、先生が木刀を買ってきてくれました!(笑い)
当時、大変だったことはありましたか?
小野 あまり悩みはなかったと思います。でも、転勤族だったので毎回友達を作るのが大変でしたね。小学校6年生から東京で、その前は大阪にいたんです。大阪での暮らしが楽しくて、関西弁も好きだったので、「東京でも絶対、関西弁でいったるわ!」言っていました。でも、東京に来たら一日でこちらに染まっていました(笑い)。順応するタイプではあったので、友達もすぐにできました。
“今の自分”について、“13歳の頃の自分”はどんな風に思うと思いますか?
小野 この仕事をやっているのは「そうだろうな」と思うかなと。「小さい頃になりたかった夢」みたいなものもあまりなくて。進路を決めるときも、あまり悩まなかったです。これしかやっていないから、今さら別のことってあまり考えられないな、というところではあって。ずっとこの仕事をやっているという感じですね。
声優業への思いについて。
小野 ずっと「ハリー・ポッター」をやってきていて。今もそうですけど、舞台もやり続けていたのであまり「声優として頑張る!」みたいなものはなかったです。高校を卒業してから、とにかくずっと仕事がなかった。仕事がないからお金もなくて、生活ができなかった。がむしゃらにやった結果、声の仕事が多かったというような、この仕事に流れ着いたような感じではありますね。
今、新しい一歩を踏み出そうとしている“13歳たち”にメッセージを送るとするなら?
小野 好きなことをやったらいいんじゃないかなと思います。YouTubeなどがあり、僕たちが13歳だったときよりも、色々な情報が入ってくるようになっているので、選択肢は増えると思うんです。「こんな職業もあるんだ!」と目に付く機会も多い。だから色々な可能性、選択肢がある中で選べると思うので、自分が興味のあることをやったらいいんじゃないかなと思います。

「男だらけの熱い物語をぜひ楽しんで」

沖田総司を演じる際に大切にされていることを教えてください。
小野 ずっとひょうひょうとしているというか、表情も柔らかいですし……そういうところでの人当たりの良さ、みたいなのは普段から出せたらいいなと思っています。勝手なイメージですけれど、甥っ子とかと接するときの感じを常に持っています。今回は、人によってあまり(態度を)変えないように、誰に対してもひょうひょうとして……を意識しています。
「青のミブロ」の放送を楽しみにしている方たちへメッセージをお願いいたします。
小野 “にお”という実在はしていない主人公がいて、彼が成長していくところがひとつの魅力だと思います。あとは、単純に「新選組」のお話って面白いなというのもあります。本当に一切女性が出てこないので(笑い)、男だらけの熱い物語をぜひ楽しんでもらいたいです! 10月から放送なのでどんどん寒くなっていきますが、作品はずっと熱いものが届けられたら良いなと思っています!
 
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