中田 博也

プロデューサー中田 博也

#03
#03

「夢を持つこと」で成長する

プロデューサー
中田 博也

「13歳の青」第3回のゲストは、TVアニメ『青のミブロ』のプロデューサーを務める中田博也さん。
「13歳」の頃はサッカー少年だったという中田さん。「当時の自分からすると意外に思われる」と語るアニメプロデューサーの仕事について、原作をアニメ化したいと思うに至った作品の魅力、そしてプロデューサーとして本作に携わるということへの思いを伺った。

夢はサッカー選手 キラキラしていた13歳

どんな「13歳」でしたか?
中田 キラキラしていました。中学受験をしたので、地元の中学校ではなくて、ちょっと離れた中学校に通っていたんです。 小3のときにJリーグが開幕したので、サッカー部に入ってJリーガーになろう!と本気で思っていました。全然うまくないのに……。 サッカーチームには入っていましたが、受験でやめて、中学の部活に入って。ポジションはFWで、三浦知良になりたかったです! 進学校で、練習も週に2~3回しかなくて、あとは勉強しなさい、みたいな学校でしたが、本気でサッカー選手になれるんじゃないかと思っていました。 悩みもなく、キラキラしていて。超青春でしたね。
「13歳の頃の自分」が「今の自分」を見たら、どんな風に思うと思いますか?
中田 全然想像していなかったかもしれないです。当時は、アニメやマンガをあまり見ていなかったので、意外だと思います。 でも、テレビは好きでした。うちの親の方針で、「テレビはみんなで見るもの」というのがあったので、お茶の間でみんなでテレビを見ていたんです。 そういうのがあるから、映像に関わる仕事ができているのは喜んでいるかもしれないです。アニメには、大学のときにハマりました。 典型的なダメな大学生だったので、あまり勉強はせず、時間はあって、金はない(笑い)。夜更かしもできるので、友達とアニメにハマって。 子供から大人まで一緒に見られるアニメっていいなと思いました。

1話を読んだときから「アニメ化したい!」

『青のミブロ』の魅力について。
中田 1話を読んだときに「アニメ化したい!」と思って、出版社さんにお話していました。沖田総司や土方歳三が出てきて、そこによくわからない「にお」という少年が出てきて、これからどうなっていくんだろう……?と衝撃で。 そこがすごくよかったです。また、セリフが強くて、すごく魅力的。たとえば、ばあちゃんの「子供を育てるというのは不思議やで。まるでもう一度人生やり直してる気分になったわ」というセリフがありますが、僕も子供がいるので刺さりました。
『青のミブロ』制作にあたり、プロデューサーはどのようなお仕事をされているのでしょうか?
中田 全体の「場」づくりじゃないですかね。とくにアニメで言うと、絵を描けるわけではないし、アフレコで上手にしゃべれるわけでもない。特殊な人たちがいっぱいいる中で、唯一なにもできない人間だと思います、プロデューサーって。 その人たちがそれぞれやりたいことがあるので、そこをうまく調整するというか、まとめていくというのがプロデューサーの仕事なのかなと日々思っています。
そんなプロデューサー業で、一番うれしい瞬間はどんなときですか?
中田 第1話が放送されたときですかね。もちろん、放送された後に「おもしろかったよ」という反響があったらうれしいですけど、まずは放送されることがうれしいです。アニメは、30分の放送ですが、最後のクレジットにはたくさんの人の名前が書いてあります。なかには、名前も載らない人たちも山ほどいて。 無事に放送されて、その関わってくださった人たちも見ているんだろうな、というときによかったなと思います。
作品に携わっている上で大切にしているポイントは?
中田 「テンポ」ですかね。原作を読むと、シリアスなシーンと、コミカルなシーンがすごくいい感じに入っていて。マンガでは自分のテンポで読めますが、映像化の難しさってたぶんここにあって。そのテンポを一律にしないといけない。とくにシリアスなシーンが続いて、コミカルなシーンが途中で入るとき、たまにちょっとずれてしまうことがあります。 間が悪いというか……。そういうときには、意見を言わせてもらうことがあります。
まさに今、新しい一歩を踏み出そうとしている“13歳たち”にメッセージをお願いします。
中田 「ありきたりなんですけど、まず夢を持つ、ということです。夢がないと何も成長していかないから、夢を持ちなさい、どんな夢でもいいから、というのは、息子にもずっと言っています。 13歳だし、夢は漠然としていていいと思うんです。それでもいいからまず夢を見つけること。大きな夢を持っておけば、途中で違うなと思ったときに、また次の夢が見つかりやすいというか……ずっと夢を持ち続けてほしいと思います。 僕は今年40歳になったんですけど、どこかで夢は持ち続けなきゃな、と思っています。じゃないと楽しくないじゃないですか? 13歳ぐらいの頃は、大きな夢を持ってほしいです!
「青のミブロ」の放送を楽しみにしている方たちへメッセージをお願いいたします。
中田 アニメでは、原作にはない「色」がついて、「音」がついて、「動き」がつきます。スタッフのみんなが一生懸命作っているので、楽しみにしてください。 面白くなっていると思います!
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